恋愛したいけど、恋愛ってしようと思ってするもんじゃない。
僕は今まで真剣に誰かを愛せたことが無い。
そんな自分に僕は苛立ちさえも覚えることがある。


今、僕はとてつもない孤独と寂しさを感じてやまない。
自分の弱さに苦悩して、負けそうになる自分の体を必死で支えて。
学校や家では精一杯自分を作るんだ。
僕の体を包む虚構のベールを、決して剥がされまいと精一杯笑ってみせる僕。
僕の心は今にも折れそうなのに、この心の叫びは誰にも届かない。

誰か受け止めてくれよ。
僕のすべてを。
弱い自分も、孤独な自分も、必死で生きている自分もすべて・・・。
そうして僕を包む虚構のベールを、君の手でゆっくりと引き解いてくれよ。
そうしたら、僕は素直な気持ちで君を愛することが出来るだろう。


僕は安心が欲しい。
誰かの心のぬくもりが。
誰か僕のそばにいて離れないでいてくれ。
失敗ばかりでカッコ悪い僕を、笑って愛してくれる人がそばにいてほしい。
そして僕も、笑って抱擁してくれた彼女を精一杯愛してみたいんだ。

でもそれは・・・ただの理想にしか過ぎない。
現実の僕は、真剣に誰かを好きになることが出来ないどうしようもないヤツなんだ。
誰かを好きになったことはあるけど、疲れたときは気持ちが薄れてしまう。
誰かを見てドキドキすることはあるけど、終始その人を想い続けるなんて出来ない。

でも僕は恋をしたい。
誰かを本気で愛してみたい。
恋愛映画の主人公みたいに。
一点の曇りもない純粋な気持ちで・・・。



・・・そんな思いをめぐらしながら僕は深い眠りにつく。
いつかの純愛を夢見ながら―。